▲TOP

労働 HOT NEWS


2023年9月


高賃上げの継続による「賃金と物価の好循環」、「デフレ」脱却の実現を重視/経済財政白書

 内閣府は8月29日、「2023年度の年次経済財政報告(経済財政白書)」を公表した。  物価と賃金は動き始めているとし、来年度も高い賃上げを継続することにより「賃金と 物価の好循環」を実現し、「デフレ」からの脱却を定着させていくことが重要とした(第1章)。  家計の所得向上については、労働移動の活発化、副業・兼業の拡大や女性・高齢者の活躍 促進等が重要とし、少子化傾向の反転のためには、(1)将来の所得上昇期待を高めて結婚・ 出産の後押しをすること、(2)住宅・教育費などの子育て負担の軽減、(3)出産後の女性の労働 所得が下がりにくい環境を整備し、「共働き・共育て」を支援する仕組みとして、保育所整備・ 男性育休やベビーシッター利用の促進の充実整備等が必要とした(第2章)。  企業の収益性向上については、マークアップ率(企業の価格設定力)の向上が、収益性を 改善し、投資や賃上げ余力を高めるため、経済の好循環の観点からも重要などとした(第3章)。

教師を取り巻く環境整備について緊急提言/文科省

 文部科学省は8月28日、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策」を 提言した。教師の長時間勤務の実態や全国的な教師不足が指摘されている状況に危機感を持つ 必要があるとして、持続可能な学校の指導・運営体制を構築していくための施策を提言。 (1)学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進、(2)学校における働き方改革の実効性の 向上等、(3)持続可能な勤務環境整備等の支援の充実、について、取り組むべき施策を盛込 んでいる。

2023年度「地域雇用活性化推進事業」の採択地域、10地域を決定/厚労省

 厚生労働省は8月31日、2023年度「地域雇用活性化推進事業」の採択地域として、 北海道釧路市、埼玉県ちちぶ地域、岡山県津山市など10地域を決定した。 「地域雇用活性化推進事業」は、雇用機会が不足している地域や過疎化が進む地域が、 その特性を生かして「魅力ある雇用」や「それを担う人材」の維持・確保を図るために 創意工夫する取組みを支援するもの。

9月は「職場の健康診断実施強化月間」/厚労省

 厚生労働省は、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付け、労働安全 衛生法が義務付けている一般定期健康診断の実施、結果についての医師の意見聴取、 意見を踏まえた就業上の措置の実施について、集中的・重点的に啓発を行っている。

最低賃金、「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円を目指す」/政府会議

 政府は8月31日、第21回「新しい資本主義実現会議」を開催し、賃金や投資を含む 成長と分配の好循環の進め方について議論した。首相は議論を踏まえ、「今年の賃上げ 率は3.58%、中小企業に限っても3.23%であり、30年ぶりの高水準。最低賃金額は全国 加重平均1,004円となり、目標の1,000円超えを達成した」と述べ、最低賃金については 「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円を目指す」と強調。また、賃金と最低賃金の 安定的な引き上げのためには「中小・小規模企業の労務費の円滑な転嫁が必要」であり、 「年内に発注者側のあるべき対応を含め、詳細な指針を策定・公表・周知徹底を行う」 と述べた。

建設業の人材確保・育成の取組み、24年度予算の概算要求/厚労省・国交省

 厚生労働省と国土交通省は1日、建設業の人材確保・育成の取組みに向けて2024年度 予算概算要求の概要を公表した。(1)人材確保、(2)人材育成、(3)魅力ある職場づくり、 を重点事項に掲げ、ハローワークのマッチング支援やハロートレーニング(職業訓練) などの施策を盛り込んでいる。建設業の将来の担い手確保が急務として、特に若者や 女性の入職や定着促進などに重点を置きつつ、処遇改善、働き方改革、生産性向上を 一体として進めていくことが重要としている。

心理的負荷による精神障害の認定基準を改正/厚労省

 厚生労働省は「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、1日付で都道府 県労働局長宛に通知した。この改正は、近年の社会情勢の変化等に鑑み、同省の専門 検討会が23年7月に取りまとめた報告書を受けたもの。  主なポイントは、業務による心理的負荷の具体的出来事に「顧客や取引先、施設利 用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染 症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を類型として追加し、心理的負荷 の強度の具体例にパワーハラスメント6類型すべてを明記したことなど。

働きながらでも学びやすい職業訓練のあり方、報告書とりまとめ/厚労省研究会

 厚生労働省は5日、「公的職業訓練の在り方に関する研究会」報告書を公表した。 研究会では、企業内でも訓練機会が乏しいと考えられる非正規雇用労働者等を中心に、 具体的な支援の方策を検討、議論。報告書は、働きながらでも学びやすい職業訓練の 制度設計について、内容(水準・実施方法・受講日程・分野・受講費用等)、対象者 への周知方法、職業訓練実施機関(訓練コース)の選定方法、成果指標の4つの視点 から検討した結果をまとめたもの。兵庫県豊岡市や佐賀県等の先行事例も掲載している。

「企業向け障害者テレワーク導入ガイダンス」を10月に開催/厚労省

 厚生労働省は、「企業向け障害者テレワーク導入ガイダンス」を10月25日に開催する。 テレワークは、障害者の多様な働き方のひとつであり、企業にとっても全国から優秀な 人材を採用できるメリットがある。ガイダンスでは、障害者雇用におけるテレワークの 導入方法の具体的な解説に加え、実際に導入している企業事例を紹介する。  参加無料・要予約。参加方法は会場またはオンライン。

「持続可能な物流の実現に向けた検討会」最終とりまとめ /経産省・国交省・農水省

 経済産業省・国土交通省・農林水産省の三省は8月31日、「持続可能な物流の実現に 向けた検討会」の最終取りまとめを発表した。取り組むべき政策に掲げた「荷主企業や 消費者の意識改革」については、物流改善を評価する仕組みの創設などを提案。 「物流プロセスの課題の解決」については、待機・荷役時間等の労働時間削減に資する 措置、納品回数の減少、リードタイムの延長等、合理化を図る措置が必要と指摘。  トラックドライバーについて、2024年4月からの時間外労働の上限規制適用により、 総労働時間が減少し、年間所得が低下することがないよう、賃金体系のあり方を含め、 賃金水準向上に向けた環境整備の検討が不可欠だとしている。

国家公務員の留学費用の償還等に関する状況を発表/人事院

 人事院は1日、国家公務員の留学費用の償還等に関する状況を発表した。国家公務員が 留学中又はその終了後5年以内に離職した場合、法律に基づき、留学費用相当額の全部 又は一部を償還しなければならない。2022年度に留学費用の償還義務が発生した件数は 84件(在外研修61件、国内研修23件)。うち69件は2023年8月1日までに償還を終えて いる。償還義務が発生した件数は、21年度は76件、20年度は59件だった。

博士人材の産業界への入職経路の多様化について議論/経産省勉強会

 経済産業省は8月29日、第1回「博士人材の産業界への入職経路の多様化に関する 勉強会」を開催した。日本の産業界の発展には多くの優秀な博士人材が必要であり、今般、 文部科学省の経済的支援の措置により、博士課程進学者の増加が目指されていると指摘。  これまで、学部生向けと比較して、博士課程学生を対象とした民間就職サービスは普及 してこなかったとして、同勉強会では、現状を把握、課題を抽出し、対応策を検討する ことで、産業界に就職する博士人材の増加に向けた施策検討につなげたいとしている。

報告書「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」を掲載/経産省

 経済産業省は、「デジタル時代の人材政策に関する検討会」報告書をホームページに 掲載した。報告書タイトルは「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」。 検討会では、AIに関する有識者、生成AI開発企業、利用企業、人材育成企業などから 順次ヒアリングを実施。報告書は、その内容や委員の意見等を基に、生成AIを適切に利用 するための人材・スキルの考え方について、技術進展のスピード感を意識しつつ、現時点で 採るべき対応を「アジャイル」に取りまとめたもの。

フリーランス保護新法の施行に向け、議論開始/厚労省検討会

 厚生労働省は11日、第1回「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会」 を開催した。特定受託事業者(フリーランス)の就業環境の整備については、 2023年5月に新法(いわゆる「フリーランス保護新法)」が公布された。同法では、 発注事業者が業務委託する際、「広告等による募集情報の的確な表示」「育児介護 等と業務の両立への配慮」「ハラスメント対策」「中途解除等の事前予告」の措置 等を講じることとされている。検討会では、政令・省令等の制定に向け、具体的 内容や実施の細則等について検討し、来年年明け以降の報告書とりまとめを予定。

夏季一時金の平均妥結額は84万円、過去2番目の高水準/厚労省集計

 厚生労働省は8日、2023年民間主要企業夏季一時金妥結状況を公表した。平均 妥結額は84万5,557円で、前年比1万3,217円(1.59%)の増加。2018年に次ぎ 過去2番目の高水準となった。平均要求額は86万9,113円で、同843円(0.1%)減。 集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある351社。

持続可能な建設業目指した中間整理案、「標準労務費」の設定・勧告も/国交省

 国土交通省は8日、中央建設業審議会・基本問題小委員会を開催し、中間整理案 「副題:担い手確保の取組を加速し、持続可能な建設業を目指して」について議論 した。当面講ずべき措置の一つに掲げた「適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの 担保」については、適正な工事実施のために計上されるべき「標準的な労務費」を 中長期的にも持続可能な水準で設定し、下請契約等において明確化されるルールを 導入することで、労務費の額が市況の影響を受けにくい環境をつくること、などを 提示。同審議会から「標準労務費」として勧告すべきだとしている。

経済的虐待が87%超で最多、「使用者による障害者虐待の状況等」結果/厚労省

 厚生労働省は8日、「2022年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表した。 障害者虐待防止法に基づき、労働局と都道府県等が把握した状況を取りまとめたもの。 通報等があった事案のうち虐待が認められたのは、最低賃金特例を下回る低賃金などの 「経済的虐待」が87.3%に上り、心理的虐待(6.8%)、身体的虐待(3.5%)等を大きく 上回った。虐待が認められたのは430事業所(前年度比9.7%増)・656人(同30.7%増)。

介護報酬改定に向け、介護人材の確保・生産性向上等について議論/厚労省

 厚生労働省は8日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、2024年度の介護 報酬改定に向け、介護人材の確保と介護現場の生産性の向上等について議論した。 処遇改善関係の「加算」を取得した事業所では、介護職員の基本給が平均約1万円 増加しているが、依然として全産業平均と比べ低いこと、加算取得の事務作業が 煩雑なため取得しない事業所もあることなどが指摘された。(資料1・現状と課題)  また、外国人介護人材の人員配置基準については、EPA介護福祉士候補者およ び技能実習生について、サービスの質の確保等に十分に配慮した上で、就労開始直 後から人員配置基準に算入することなどが論点に挙がった。(資料4・現状と課題)

大学教員・研究者の有期雇用、8割が無期転換契約へ/文科省調べ

 文部科学省は12日、「研究者・教員等の雇用状況に関する調査」(2023年度)結果を 発表した。大学等および研究開発法人の研究者・教員等のうち、無期転換申込権発生 までの期間(原則5年)を10年とする労働契約法の「特例対象者」の80.5%が無期 労働契約を締結(4.1%)、または締結する権利を得た(76.4%)こと、特例対象者 への周知は、全体では51%の機関が実施、国立大学等では9割以上が実施している ことなどが分かった。  改正労働契約法は2013年4月に施行され、2023年4月以降に「特例対象者」の本格 的な無期転換申込権の発生が見込まれたため、実態把握のため調査を実施。同省は、 結果を踏まえ、各機関に適切な対応を促す依頼文も発出した。

「労使関係セミナー」基調講演の動画を中労委HPに掲載/中労委

 中央労働委員会は、判例や労働法制に関する情報を広く発信し、労使紛争の未然 防止と早期解決、労働委員会への理解促進を目的として「労使関係セミナー」を開催 している。  現在、中労委HPでは同セミナーの基調講演の動画2本、(1)「ジョブ型雇用に関連 する法的な枠組み」(2023年度)、(2)「就労観の多様化時代の労働条件―人事法務に 必要な知識と裁判例」(2022年度)を公開している。

育児・介護の両立支援制度等の見直しに向け議論/厚労省

 厚生労働省は15日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会を開催し、仕事と育児・介護 の両立支援制度等の見直し、2024年度の雇用・均等局関係予算の概算要求について審議した。 両立支援制度については、2023年6月の「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する 研究会報告書」を踏まえ、育児中のテレワークの拡充や残業免除の3歳以上への延長、 短時間勤務をはじめ両立支援を複数講じ、労働者が選択できる仕組みを作ることなどを 論点として提起。2024年度概算要求では、「両立支援等助成金」に「選べる働き方制度 支援コース(仮称)」などの予算を新たに計上している。

就職氷河期の国家公務員中途採用、試験申込者9.2%増/人事院

 人事院は15日、就職氷河期世代を対象とした2023年度の国家公務員中途採用者選考試験 の申込状況を公表した。4回目となる23年度の申込者数は6,039人と、前年度と比べ507人 (9.2%)増加。受験資格は前年度と同様、1966年4月2日~1986年4月1日までに生ま れた人で、学歴・職歴等は不問。採用予定数は「事務」131人、「技術」29人、「刑務官」 22人の計182人。

2023度「高年齢者活躍企業コンテスト」入賞企業を公表/厚労省

 厚生労働省は15日、2023年度「高年齢者活躍企業コンテスト」の入賞企業を公表した。 高年齢者がその能力、経験を十分に活かし、いきいきと働くことができるような創意工夫が なされている企業の事例を表彰するもの。審査の結果、最優秀賞1社、優秀賞2社など、 優秀な取組をしている26社を選定した。入賞企業の表彰式は、10月6日(金)に東京で開催。

10月から全都道府県で最低賃金を改定/厚労省

 厚生労働省は、都道府県の2023年度地域別最低賃金額及び発効年月日を公表している。 最低賃金時間額は、全国加重平均1,004円(2022年度961円)。1,000円超は東京(1,113円、 最高額)、神奈川(1,112円)、大阪(1,064円)などの8都府県、最低額は893円(岩手県)。 新たな地域別最低賃金額は、10月1日から順次発効する。  厚生労働省と中小企業庁では、最低賃金引き上げに伴う支援を強化しており、関連の 助成金や補助金の利用案内をホームページに掲載している。  

個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方、報告書案を提示/厚労省検討会

 厚生労働省は21日、「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討 会」を開催し、報告書案を提示した。労働者と同じ場所で働く労働者以外の者も 安全衛生法令の保護対象とした最高裁判決を受け、23年4月に改正省令を公布した。  報告書案は、残された課題について、(1)個人事業主等の業務上災害の実態を把 握する方策、(2)災害防止のための対策(自身による措置、発注者による措置など)、 (3)過重労働・メンタルヘルス・健康確保対策、などの視点で整理。(1)では、労働 者と同様に「休業4日以上の死傷災害」が発生した場合を報告の対象とし、被災し た個人事業者等自身のほか、注文者で災害発生場所の直近上位者や災害発生場所を 管理する事業者を報告者とすること、などを提起している。

「雇用型の副業・兼業に関する情報提供モデル事業」を10月2日から開始

 厚生労働省の補助事業として「雇用型の副業・兼業に関する情報提供モデル事業」 が10月2日から東京・大阪・愛知で開始される。同事業は、企業の在職労働者で、 副業として他企業でも雇用され自身の技術・知識・経験の活用やキャリアップ等を 希望する人に対して、副業による労働者として雇用した上で、その技術・知識・経験 の活用を希望する企業の人材ニーズに関する情報提供を行う。  ホームページには、従業員の副業・兼業に関する企業アンケート結果概要を掲載。 

「労働者協同組合設立オンラインセミナー」を10月29日に開催/厚労省

 厚生労働省は10月29日(日)に「労働者協同組合設立オンラインセミナー」を開催 する。地域の課題に取り組むための選択肢の一つとして、労働者が組合員として 出資し、自ら従事することを基本原理とする「労働者協同組合」の法人制度が2022年 10月にスタート。同セミナーでは、法人設立手続きに関する法令の解説や、実際に 設立した法人が実践した準備事項・手順を説明する。質問や相談ができるオンライン 相談・交流会も予定。参加無料・定員50名・要事前申込。

寝屋川コンクリート不当労働行為再審査事件で初審命令を変更/中労委

組合から日々雇用労働者の供給を受けていた会社が、(1)労働者供給の依頼を打ち 切ったこと、(2)供給依頼の回復等に関する団体交渉申入れに応じなかったことが 不当労働行為であるとして、組合が救済申立てをした事件で、初審大阪府労働委員 会は、上記(1)及び(2)ともに不当労働行為に該当すると判断した。これを不服とし た組合及び会社が再審査を申し立てた事件で、中央労働委員会は9月20日、会社が 団体交渉申入れに応じなかったことは不当労働行為に当たるが、上記(1)の行為は 不当労働行為には当たらないとする命令書を交付した。

経済対策の骨子を発表、「年収の壁」解消に向けた支援強化も表明/首相会見

 岸田首相は25日の会見で、10月中の取りまとめを目指す経済対策の骨子を発表した。 経済対策は、(1)物価高から国民生活を守るための対策、(2)持続的な賃上げ、所得向上 と地方の成長、(3)国内投資の促進、(4)人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革、 (5)国土強靱化、防災・減災など国民の安心・安全の確保、を5つの柱として構成する。  また首相は、いわゆる「年収の壁」について、「130万円の壁」に関しては審議会で 検討しているとしつつ、「106万円の壁」に関しては、人手不足対応等の観点から、当面 支援強化パッケージを実施する考えを表明。手取り収入を減少させないための「社会保 険適用促進手当」の創設や、賃上げで労働者の収入を増加させる取組を行った事業主への 助成金(労働者1人当たり最大50万円支給)を創設すると説明した。

第3号被保険者制度と「年収の壁」など議論/厚労省社保審年金部会

 厚生労働省は21日、社会保障審議会年金部会を開催し、第3号被保険者制度と、短時間 労働者の就労調整の要因とされる「年収の壁」等について議論した。第3号被保険者につ いては、「被用者保険の適用拡大を進め、制度の縮小・見直しに向けたステップを踏んで いくことが必要」(資料1・22頁等)などとし、「年収の壁」については、「106万円」、 「130万円」の壁の解消に向けた対応例(資料2・21頁以下)などを示した。  検討の視点としては、「負担についての公平性」「社会保険料の労使折半負担の原則との 整合性・事業主の理解」「他の被保険者との公平性」を提示。単に手取り収入が減収しない 仕組みとした場合、負担や給付面での不公平や新たな壁の発生といった課題が生じるため、 これに対応する仕組みを検討するには多様な論点があるとしている。

中間とりまとめ「持続可能な建設業を目指して」を公表/国交省

 国土交通省は19日、中央建設業審議会・基本問題小委員会の中間整理「担い手確保の 取組を加速し、持続可能な建設業を目指して」を発表した。資材価格高騰や時間外労働 規制に対応しつつ、適正な請負代金・工期が確保された契約の下で工事が実施される環 境づくりが欠かせないと指摘。中間整理では、「請負契約の透明化による適切なリスク 分担」「適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保」「魅力ある就労環境を実現する 働き方改革と生産性の向上」の分野で早急に講ずべき施策を取りまとめている。

建設業で働く人の働き方改革、PR動画(第4弾)を公開/厚労省

 厚生労働省は22日、「働き方改革PR動画『はたらきかたススメ』シリーズ第4弾」 を公開した。この動画シリーズは、2024年4月から開始する建設業で働く人やドライバー への時間外労働の上限規制の適用に向けて制作するもの。  今回の第4弾は、建設業で働く人の働き方改革を進めるにあたって、工事を発注する 業者をはじめとする人たちに周知したい内容を取り上げている。

「持続的な賃上げに向けて」をテーマに分析/23年版労働経済白書

 厚生労働省は29日、2023年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を公表した。 「持続的な賃上げに向けて」をテーマに、日本の賃金が伸び悩んできた理由を明ら かにし、賃上げが企業・労働者・経済全体に及ぼす好影響、企業業績・価格転嫁状 況等と賃上げの関係等についても分析している。
 1990年代後半以降、我が国の一人当たり実質労働生産性は他国並みに上昇してい るものの、一人当たり実質賃金は伸び悩んでいる。その背景として、パート労働者 の増加等により一人当たり労働時間が減少したことと、労働分配率が低下傾向にあ ったことを挙げ、内部留保の増加にみられる企業の利益処分の変化、労使間の交渉 力の変化、産業構成・勤続年数・パート比率等の雇用者の構成変化、日本型雇用慣 行の変容、労働者のニーズの多様化等が影響した可能性を指摘している。  また白書は、最賃引上げは、賃金水準が中位に位置するパートタイム労働者にも 効果が及ぶ可能性があること、同一労働同一賃金の施行は、正規と非正規雇用労働 者の時給差を10%程度縮小させる等の効果があった可能性についても指摘している。

「年収の壁」支援強化パッケージを公表/厚労省

 厚生労働省は27日、「年収の壁」の解消に向けた支援強化パッケージを公表した。 「106万円の壁」への対応は、短時間労働者が被用者保険の適用となる際、労働者の 収入を増加させる取組を行った事業主に対し、労働者1人当たり最大50万円を助成。 賃上げや所定労働時間の延長のほか、手取り収入減少分の相当額を「社会保険適用 促進手当(新設)」として支給する場合も対象に含む。「130万円の壁」への対応は、 労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付すれば、 収入が130万円以上となる場合でも連続2回を上限に被扶養者認定を可能とする。 企業の配偶者手当については、見直しの必要性やメリット・手順について企業に 周知し、理解促進を図るとしている。

「持続的賃上げ」に向け促進策など議論/新しい資本主義実現会議

 政府は27日、新しい資本主義実現会議を開催し、経済対策等について議論した。 首相は議論を踏まえ、「3年間の変革期間でコストカット型の『冷温経済』を適温 の成長型経済へ転換する」として、「持続的賃上げ・所得向上の実現」については、 (1)賃上げ税制の減税措置の強化、(2)中小企業等の賃上げに資する省人化(人手不 足解消)等への投資の支援、(3)労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針 策定、(4)同一労働・同一賃金制の対応が不十分な企業への指導や非正規労働者に対 するリスキリング支援、などの措置を講じていくと述べた。

景気判断「緩やかに回復」を維持、中国経済の先行き懸念も/9月・月例経済報告

 政府は26日、9月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、緩やか に回復している」を維持。先行きについては「緩やかな回復が続くことが期待される」 としつつ、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念などが下押しするリスクと なっているとしている。  個別判断では、企業収益は「総じてみれば緩やかに改善」から「総じてみれば改善」 へ上方修正し、住宅建設は「おおむね横ばい」から「このところ弱含んでいる」へ 下方修正した。雇用情勢は、「改善の動きがみられる」の判断を維持した。

「勤務間インターバル制度導入促進シンポジウム」のアーカイブ動画を公開

 厚生労働省は、7月27日(木)に開催された「勤務間インターバル制度導入促進シンポ ジウム」のアーカイブ動画を公開した。2019年4月から企業の努力義務となっている 勤務間インターバル制度について、その重要性や企業が取り組むことによるメリット、 取組を進めるためのポイント等を先進事例とともに解説。視聴後のアンケートに回答 すると、会議資料をダウンロードできる。また、社会保険労務士等の専門家による 無料のコンサルティングも受け付けている。申込みは interval@jmam.co.jp まで。

白百合クリーニング不当労働行為再審査事件で初審命令を維持/中労委

 会社が前件における中央労働委員会の和解勧告を履行していないこと、和解勧告 に基づく組合員の就任通知等を議題とする団体交渉における会社の対応、記念式典 における組合員に対する会社の取扱い等が不当労働行為であるとして、組合が救済 申立てをした事件の再審査事件で、中央労働委員会は9月21日、初審命令を維持し、 組合員の工場顧問就任通知は、和解条項に明記された労使の合意事項であるとして、 会社が通知の内容等に関する団体交渉に応じる姿勢を示さなかったことは不当労働 行為に当たるとする命令書を交付した。

基調判断「生産は一進一退で推移している」として下方修正/7月鉱工業指数

 経済産業省は8月31日、7月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。 生産指数(季節調整値)は103.6、前月比マイナス2.0%と、2カ月ぶりの低下。 業種別では、低下したのは、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気・情報 通信機械工業等。上昇したのは、輸送機械工業(自動車工業を除く)、自動車工業、 パルプ・紙・紙加工品工業等。出荷は同マイナス2.1%で2カ月ぶりの低下。在庫は 同0.9%で、3カ月連続の上昇。在庫率は同2.9%で、4カ月ぶりの上昇。基調判断は 「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」として下方修正。

消費者マインドの基調判断、「改善に向けた動きがみられる」で据え置き/8月消費動向調査

 内閣府は8月30日、8月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度 指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、36.2(前月比0.9ポイント低下)。 指数を構成する各指標について前月差を見ると、いずれも低下しており、「雇用環境」 が42.7(マイナス1.3ポイント)、「耐久消費財の買い時判断」が30.0(同1.1ポイント)、 「暮らし向き」が32.9(同1.0ポイント)など。消費者マインドの基調判断は、「改善 に向けた動きがみられる」で据え置き。

経常利益11.6%増、過去最高を更新/4~6月期法人企業統計調査

 財務省は1日、2023年4~6月期の「法人企業統計調査」結果を公表した。 全産業(金融業、保険業を除く)の企業動向を前年同期比でみると、売上高は5.8%増、 経常利益は11.6%増、設備投資は4.5%増。経常利益(31兆6,061億円)は四半期ベース の過去最高益を更新した。  一方、同日公表した2022年度の「法人企業統計調査」でも、金融業・保険業を除く 全産業の経常利益(95兆2,800億円、前年度比13.5%増)は過去最高。利益剰余金は 554兆7,777億円で、前年度を上回った。

二人以上世帯の消費支出、前年同月比5.0%減/7月家計調査報告

 総務省は5日、7月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯当たりの 消費支出は28万1,736円、実質で前年同月比5.0%減と5カ月連続の減少。前月比 (季節調整値)は2.7%減。支出項目別でのマイナス寄与は、住居(マイナス1.35%)、 食料(同0.81%)、交通・通信(同0.75%)など。プラス寄与は、被服及び履物(0.22%)、 光熱・水道(0.21%)など。  勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり63万7,866円(前年同月比で実質6.6%減)。

実質賃金2.5%減少、マイナス幅が拡大/毎勤統計調査7月速報値

 厚生労働省は8日、7月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上) を公表した。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.3%増の38万3,868円、うち 一般労働者が同1.7%増の50万8,283円、パートタイム労働者が同1.7%増の10万7,704円。 一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、前年同月比2.5%減。 前月のマイナス幅(1.6%減)より拡大し、実質賃金の減少は16カ月連続となった。

7月の景気動向指数、6カ月ぶりに下降、基調判断は「改善」据え置く/内閣府

 内閣府は7日、2023年7月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を 示す「一致指数」は114.5で、前月と比較して1.1ポイント低下し、6カ月ぶりの下降。 「耐久消費財出荷指数」、「投資財出荷指数 (輸送機械を除く)」、「生産指数(鉱工業)」 などがマイナスに寄与、「輸出数量指数」、「商業販売額(小売業)」などがプラスに 寄与。一致指数の基調判断は「改善を示している」で据え置き。

景況判断、10地域で据え置き、雇用情勢は北海道以外を引上げ/9月地域経済動向

 内閣府は6日、9月の「地域経済動向」を公表した。全12地域の景況判断は、「緩やかに 持ち直している」(6地域)、「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」 (5地域)、および「回復している」(1地域・沖縄)。前回5月調査と比較すると、北陸は 上方修正、四国は下方修正、他の10地域は据え置き。  雇用情勢は、北海道のみ下方修正、他の11地域は「改善の動きがみられる」へ上方修正。

23年4~6月期GDP実質成長率、年率4.8%/内閣府

 内閣府は8日、2023年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報値 (季節調整済)を公表した。物価変動を除いた実質GDP成長率は、前期比1.2%増、 年率換算で4.8%の増加。8月に公表された1次速報値(前期比1.5%増、年率換算 6.0%増)から下方修正した。民間企業設備等の下方改定が主な押し下げ要因。

街角景況感、前月差0.8ポイント低下/8月景気ウォッチャー調査

 内閣府は8日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた 2023年8月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表した。現状判断DI(季節 調整済)は、前月差0.8ポイント低下の53.6となった。家計動向、企業動向、雇用の 全てのDIが低下。先行き判断DI(同)は、前月差2.7ポイント低下の51.4。  今回の結果について、「景気は、緩やかに回復している。先行きについては、 価格上昇の影響等を懸念しつつも、緩やかな回復が続くとみている」としている。

大企業の従業員判断指数、49期連続「不足気味」超/7~9月法人企業景気予測

 内閣府と財務省は13日、「法人企業景気予測調査」(2023年7~9月期調査)結果 を公表した。雇用に関する「従業員数判断」BSIは、大企業は24.0%ポイントで2011年 9月末以降49期連続の「不足気味」超。中堅企業、中小企業いずれも「不足気味」超。 「貴社の景況判断」BSIは、大企業は5.8%ポイントで、2023年4~6月期以降、2期 連続の「上昇」超。中堅企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となった。

7月の生産指数、前月比マイナス1.8%低下/鉱工業指数確報

 経済産業省は14日、7月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」 確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は103.8、前月比マイナス1.8%の低下。 業種別では、低下したのは、生産用機械工業、電気・情報通信機械工業、電子部品・ デバイス工業等。上昇したのは、輸送機械工業(自動車工業を除く)、化学工業 (無機・有機化学工業を除く)、自動車工業等。出荷は同マイナス1.8%の低下、 在庫は同0.6%、在庫率は同1.0%のいずれも上昇。速報と比べ、生産、出荷は上方修正、 在庫、在庫率は下方修正。

民間需要の機械受注額、1.1%減/機械受注統計

 内閣府は14日、機械受注統計調査報告(2023年7月実績)を公表した。機械受注 総額は、前月比9.8%増の2兆9,014億円(季節調整値)。民間設備投資の先行指標 である「民需(船舶・電力を除く)」は、同1.1%減の8,449億円。うち船舶・電力 を除く製造業は同5.3%減・4,067億円で、非製造業は同1.3%増・4,376億円。  基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。

8月の企業物価指数、前年比3.2%上昇/日銀

 日本銀行は13日、企業物価指数(2023年8月速報)を公表した。国内企業物価指数は 119.6で、前月比0.3%、前年比は3.2%の上昇。製品別にみると、前月比では「石油・ 石炭製品」(5.2%)が大きく上昇。前年比では、窯業・土石製品(15.5%)、パルプ・ 紙・同製品(14.2%)、金属製品(8.0%)など。輸入物価指数(ドルなどの契約通貨 ベース)は、前月比マイナス0.9%で11カ月連続の低下、前年比はマイナス15.9%。 円ベースでは前月比0.9%の上昇、前年比マイナス11.8%の低下。

75歳以上人口が2,000万人超、10人に1人が80歳以上/総務省レポート

 総務省は17日、「敬老の日」(9月18日)に因み、「統計からみた我が国の65歳以上の 高齢者の現況」を公表した。高齢者人口(23年9月15日時点)は1950年以降、初めて減少 した一方、総人口に占める割合は29.1%と過去最高に。75歳以上人口が初めて2,000万人を 超え、10人に1人が80歳以上となる。  高齢者の就業者数は、19年連続で増加し、就業者総数に占める高齢就業者の割合は13.6 %と過去最高。「医療、福祉」で就業する高齢者が10年前の約2.7倍に増加した。高齢者の 有業率は、男性は山梨県が最も高く、女性は福井県が最も高い。

パートタイマーの賃上げは実質賃金を維持できたと評価/UAゼンセンの定期大会

 UAゼンセン(松浦昭彦会長、186万7,000人)は13、14の両日、都内で定期大会を開催 した。連合方針を上回る賃上げ方針で臨んだ2023労働条件改善闘争の賃上げ妥結結果につ いて、全体としては「賃上げの大きな流れ」をつくったとしたものの、正社員組合員につ いては「実質賃金の確保について十分にできたとは言えない」と総括。パートタイマーに ついては、「ベアに相当する賃金引き上げ分は物価上昇分を大幅に上回り、実質賃金が 維持されている」と評価した。大会ではまた、そごう・西武労組のスト実施をめぐって、 産別本部に対して多くの意見があがった。(JILPT調査部)

仕事と育児の両立支援制度、男性の58%が「利用したことない」/連合調べ

 連合は14日、「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」を発表した。 利用したことがある両立支援制度は「育児休業」(41.9%)が最も高く、「短時間勤務制度」 16.3%、「子の看護休暇」13.9%、「時間外労働の制限」6.6%などの順。他方、「利用 したことのある制度はない」と答えた人は47.8%で、男性では58.4%に上る。政府が推奨 する「共働き・共育て」を実現するために効果的だと思うことは、1位が「育児休業給付 金の増額」、2位「フレックスタイム制の導入」など。調査対象は、小学生以下の子ども がいる20歳~59歳の働く男女1,000人。

8月の全国消費者物価指数3.1%上昇、電気・ガスは下落/総務省

 総務省は22日、2023年8月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く 総合指数は105.7で前年同月比3.1%の上昇、前月比(季調値)は0.3%上昇で横ばい。 前年同月比で上昇が大きかったものは、「乳卵類」21.4%、トイレットペーパー などの「家事用消耗品」13.3%、「菓子類」11.7%などの順。品目では「鶏卵」 35.2%、「ペットフード」31.0%、「宿泊料」18.1%などの上昇が目立つ。 一方、「電気代」マイナス20.9%、「ガス代」同9.5%など、エネルギー価格が 大きく下落した。

23年9月の総人口、前年同月比52万人減/総務省人口推計

 総務省は20日、人口推計を公表した。2023年9月1日現在の総人口(概算値)は 1億2,445万人(前年同月比52万人・0.42%減)。  23年4月1日現在の総人口(確定値)は1億2,455万4千人(同51万7千人・0.41%減)。 年齢階層別(確定値)では「15歳未満」が2.07%減少、「15~64歳」が0.23%減少、 「65歳以上」が0.11%減少。うち「75歳以上」人口は3.97%増加した。

基幹統計として「フリーランスの働き方」を初めて把握/統計局レポート

 総務省統計局は14日、フリーランスに関するレポート「統計Today No.197」をホー ムページに掲載した。2022年就業構造基本調査が基幹統計として初めて把握した フリーランスの数や働き方等を紹介している。有業者のうち本業がフリーランスの 数は209万人で、有業者に占める割合は3.1%。男女別では男性146万人、女性63万人。  本調査でのフリーランスの定義は、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は 一人社長であって、その仕事で収入を得る者」であり、農林漁業の者などは含まない。

「アルムナイ採用」を行っている企業は1割強、採用効果は高い傾向/民間調査

 リクルートは20日、「企業の人材マネジメントに関する調査2023/アルムナイ(カム バック採用/退職者コミュニティ)編」を発表した。企業の人事担当者に尋ねた「現在 実施している採用手法」は、「ハローワーク」(51.1%)、「自社採用サイト」(46.3%)、 「人材紹介」(41.2%)などの順で、「アルムナイネットワークからの採用」は12.3% だった。直近1~2年の人材採用の状況を尋ねると、「アルムナイ」採用を行っている 企業のほうが、「人員数」「人材レベル」のどちらも「十分に採用できている」「ある 程度採用できている」と答えた割合が高く、採用がうまくいっていると指摘している。

22年度の新卒採用枠で「正社員募集した」事業所58%/労働経済動向調査

 厚生労働省は22日、「労働経済動向調査(2023年8月)」結果を公表した。労働者の 過不足判断DI(不足-過剰)は、正社員等がプラス45ポイント(49期連続の不足超過)、 パートタイム労働者がプラス30ポイント(56期連続の不足調査)で、引き続き「不足」 とする事業所割合が多い。  特別調査項目の「2022年度新規学卒者の採用枠で正社員の募集」(概況13頁)について、 募集を「行った」事業所は58%。募集時期は「春季(3月~5月頃)のみ」が最も多く 37%、次いで「年間を通して随時」36%、「年複数回(春季と秋季など)」15%など。 「春季のみ」事業所に、今後他の時期にも募集を行う予定があるか尋ねると、「未定」 45%、「全く予定していない」23%、「検討している」15%、「予定している」13%の順。

7月の実質賃金、前年同月比2.7%減少/毎勤統計確報値

 厚生労働省は26日、7月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上) を公表した。現金給与総額は、就業形態計で38万63円(前年同月比1.1%増)、うち 一般労働者が50万9,103円(同1.8%増)、パートタイム労働者が10万7,354円(同1.3%増)。 一方、実質賃金は2.7%減で16カ月連続の減少。総実労働時間は138.6時間(1.0%減)。 うち、所定内労働時間は128.6時間(0.9%減)、所定外労働時間は10.0時間(2.0%増)。

8月の完全失業率2.7%、前月と同水準/労働力調査

 総務省は29日、2023年8月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率 (季調値)は2.7%で、前月と同率。完全失業者数は186万人(前年同月比9万人増)で、 2カ月連続の増加。就業者数は6,773万人(同22万人増)で13カ月連続の増加。雇用者 数は6,088万人(同44万人増)で、18カ月連続の増加。

8月の有効求人倍率1.29倍、前月と同水準/一般職業紹介状況

 厚生労働省は29日、「一般職業紹介状況」を公表した。2023年8月の有効求人倍率 (季調値)は1.29倍で前月と同率。新規求人倍率(同)は2.33倍で、前月比0.06ポイ ント上昇。新規求人(原数値)は、前年同月比で1.0%増。産業別では、宿泊業・ 飲食サービス業(9.8%増)、教育・学習支援業(8.4%増)、医療,福祉(4.8%増) などで増加。製造業(7.5%減)、建設業(3.8%減)、生活関連サービス業・娯楽業 (3.1%減)などで減少した。

8月の鉱工業生産、「一進一退で推移している」で前月から横ばい/経産省速報

 経済産業省は29日、8月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。生産 指数(季調値)は103.8で前月比0.0%の横ばい。業種別で上昇したのは、石油・石炭 製品工業、電気・情報通信機械工業等。低下したのは、自動車工業、鉄鋼・非鉄金属 工業等。出荷は前月比0.1%上昇。在庫、在庫率はいずれも同1.7%の低下。基調判断 は、「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」として前月判断を維持した。

基調判断「改善を示している」で据え置き/7月・景気動向指数の改訂状況

 内閣府は27日、2023年7月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。 景気の現状を示す「一致指数」は、前月差1.4ポイント低下の114.2(速報値は114.5)。 基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している」で据え置き。

電力料金上昇が「経営に悪影響あり」、62.0%で過去最高/日商調査

 日本商工会議所は8月31日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)」8月調査結果を 発表した。電力料金の上昇が経営に及ぼす影響を尋ねたところ、「悪影響がある」は 62.0%で過去最高。2021年調査と比較して2倍超と大幅に増加。今後の対応は「既存 設備での節電など人件費以外のコスト削減」が49.6%と最も多く、「サービス・商品 への販売価格への転嫁」が35.9%などとなっている。  8月の業況DI(産業計)はマイナス8.9で、前月比0.9ポイントの上昇。原材料・エ ネルギー価格の高騰でコスト増が続き、労務費等の上昇分までの十分な価格転嫁も進 まず、業況は横ばい。先行き見通しDIは、マイナス14.0で今月比5.1ポイントの低下。

2014年以降で最高の賃上げ額となった2023年闘争を総括/金属労協の定期大会

自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の5産別でつくる金属労協 (JCM、議長:金子晃浩・自動車総連会長、約199万9,000人)は5日、都内で 定期大会を開催し、今春闘の総括となる「2023年闘争評価と課題」を確認した。 賃上げ獲得組合比率、賃上げ獲得額ともに2014年以降での最高となったことをうけ、 「評価と課題」は「組合員の生活の安心・安定はもとより、金属産業の現場力・ 競争力を高め、日本経済を好転させる契機となり得るなど、JC共闘の社会的な 役割を果たすことができた」と総括。金子議長は2024年闘争に向け、「こうした 取り組みをけっして今年単発で終わらせてはいけない」と強調した。(JILPT調査部)

「例年を大きく上回る回答引き出しと産業全体への波及を図れた」と今春の賃上げ交渉を総括/自動車総連の定期大会

 自動車総連(金子晃浩会長、約79万6,000人)は7、8日の両日、都内で定期 大会を開催し、2023年春季生活闘争の総括を確認した。今春の取り組みでは、 賃金改善分の平均獲得額が5,050円、獲得した組合の割合が89%となり、ともに 賃上げが復活した2014年以降で最高を記録。総括は全体の結果について「自社・ 産業の魅力向上に向け労使で真摯に論議し、例年を大きく上回る回答引き出しと 産業全体への波及を図れた」などと評価した。(JILPT調査部)

「参加と対話」型の運動をめざす組織変革プロジェクトの最終報告を確認/JAMの定期大会

 金属、機械関連の中小労組を多く抱えるものづくりの産別労組、JAM(安河内 賢弘会長、約36万7,000人)は8月31日から2日間、静岡県静岡市で第25回定期 大会を開催した。組織変革プロジェクトの最終報告や2023年春季生活闘争総括を 確認するとともに、向こう2年間の新運動方針を決定。組織変革プロジェクト 最終報告では、組合員の単組やJAM本部、地協の活動への参加を促すため、 日常的なコミュニケーションの促進や、レクリエーション活動を通じた組合活動の 楽しさを伝える工夫などを提言した。(JILPT調査部)

長期雇用を前提とした賃金制度を/基幹労連定期大会

 鉄鋼、造船重機、非鉄関連などの労働組合で構成する基幹労連(神田健一委員長、 約26万8,000人)は7日から2日間、都内で定期大会を開き、新運動方針を確認した。 春季取り組みの評価と課題では、過去との比較で前進回答率や平均獲得額が向上した ことを「大いに評価できる」とした一方で、企業規模間での賃金格差や賃金カーブの 歪みなどを今後の課題にあげて、長期雇用を前提とした賃金制度の必要性を強調した。 (JILPT調査部)

23年度の規制改革要望、「人の活躍」など4本柱で66項目/経団連

 日本経団連は12日、「日本経済にダイナミズムを取り戻す」と題した2023年度の 規制改革要望を発表した。「GX・サーキュラーエコノミー」「DX」「人の活躍」 「成長産業の振興(ヘルスケア・バイオ、モビリティ)」を柱に66項目の規制改革 要望を取りまとめ。「人の活躍」については、主体的なキャリア形成の促進や多様 な働き方の実現を図るため、「副業・兼業の推進に向けた割増賃金規制の見直し」 「介護の両立支援等に資する深夜労働の割増賃金規制の見直し」などを求めている。

副業・兼業推進のための割増賃金規制見直し等を提起/経団連規制改革要望

 経団連は12日、「2023年度規制改革要望-日本経済にダイナミズムを取り戻す」を 公表した。柱として「GX・サーキュラーエコノミー(CE)」「DX」「成長産業の 振興」とともに「人の活躍」をあげた。副業先での就労時間で割増賃金が発生することが 副業・兼業を推進するうえでハードルとなっているとし、割増賃金計算において、本業と 副業・兼業の事業場での労働時間を通算しないこと、介護の両立支援等に資するため 深夜労働の割増賃金規制を見直すこと等を求めている。

日常的な組合活動を活性化させ、組合員が一体となることで組織強化につなげる/自治労定期大会

 地方自治体の職員などを主に組織する自治労は8月28~30日までの3日間、 北海道函館市で定期大会を開催した。向こう2年間の運動方針では、日常的な組合 活動の活性化や組合員の一体となった取り組みで自治労の組織強化を目指すことな どの重点課題を提示。当面の闘争方針では、秋季・自治体確定闘争の取り組みとし て給与の引き上げや中途採用者の賃金改善などを掲げた。(JILPT調査部)

企業の懲戒制度に関する調査結果を発表/民間調査

 労務行政研究所は8月30日、企業における「懲戒制度に関する実態調査」結果を 発表した。30のケース別にみた懲戒処分の適用判断などを調査。「懲戒解雇」の割合が 高かったのは「売上金100万円を使い込んだ」75.9%、「無断欠勤が2週間に及んだ」 74.1%、「社外秘の重要機密事項を意図的に漏洩させた」69.4%の順。懲戒解雇では 退職金を「全く支給しない」が63.2%、諭旨解雇では「全額支給」30.5%が最多。  懲戒段階の設定数は「6段階」が最も多く、実施パターンでは「譴責、減給、出勤 停止、降格・降職、諭旨解雇、懲戒解雇」のパターンが最も多かった。

価格転嫁率43.6%、卸売業を中心に価格転嫁が進む/民間調査

 帝国データバンクは8月28日、「価格転嫁に関する実態調査(7月)」結果を発表した。 自社の商品・サービスのコスト上昇分に対する販売価格への転嫁度合いを示す「価格 転嫁率」は43.6%。2022年12月の前回調査より3.7ポイント転嫁が進んだが、依然として 6割弱のコストを企業が負担している。「全く価格転嫁できない」企業も12.9%と 1割を超える。業種別にみると、価格転嫁率が高いのは「紙類・文具・書籍卸売」 (65.7%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(64.3%)、「化学品卸売」(63.1%)など 卸売業が上位を占める。低い業種は、一般病院や老人福祉事業といった「医療・福祉・ 保健衛生」(15.2%)が最も低く、「娯楽サービス」(21.6%)、「リース・賃貸」(24.8%)、 「農・林・水産」(25.6%)など。

70%が「学び直し」の重要性を認識するも、実践者は14%/民間調査

 パーソル総合研究所は8月31日、「ミドル・シニアの学びと職業生活についての 定量調査」結果を発表した。ミドル・シニアの70.1%が「何歳になっても学び続ける 必要がある」と学び直しの重要性を認識しているが、実際に「学び直しをしている」 は14.4%にとどまる。「学び直す意欲はあるが特に学んでいない」(29.8%)と 「学び直す意欲がない」(47.5%)を合わせた「非学習層」は77.3%に上る。  また、学び直しをしていないグループが学び直したと仮定すると、効果は年収平均 12万円増などと推定。調査は、35~54歳を「ミドル」、55~64歳を「シニア」と定義し、 学び直しの実態・効用・促進要因等を分析している。

テレワークの課題は「コミュニケーション低下」と「運動不足」/民間調査

 明治安田厚生事業団は8月29日、テレワークにおける健康課題や健康管理に関する 全国上場企業を対象とした調査結果を発表した。テレワークの導入率は70%で、実施 頻度は「週2~3回」(40%)が最多。テレワークをしている従業員の2大健康課題は、 「コミュニケーション低下」(49%)と「運動不足」(45%)。一方、テレワーク従業員 に対する身体活動促進や運動不足対策の取組みは「特になし」(62%)が最も高い。

正社員のテレワーク実施率22%、マスク着用率は80%/民間調査

 パーソル総合研究所は4日、「第8回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」 結果を発表した。正社員のテレワーク実施率は22.2%で、22年同期(25.6%)から微減、 2020年4月以降で最も低くなった。テレワークに関する企業方針は、「特に会社からの 指示無し」63.1%、「原則出社の指示」21.5%など。就業時のマスク着用率(着用+ たまに着用の計)は79.8%で、プライベートの着用率よりも6.1ポイント多い。マスクの 着用理由は、「自己判断」55.7%、「会社からの指示」31.2%、「職場の雰囲気」29.5%。

企業本社の「脱首都圏・地方移転」は減速/民間調査

 帝国データバンクは6日、「首都圏・本社移転動向調査(2023年上半期)」結果を 発表した。2023年1~6月に、首都圏から地方へ本社を移転した企業は172社で、3年 連続で150社を超過。他方、首都圏への転入企業は164社で、22年から大幅に増加。 企業の首都圏流入の動きは22年まで停滞していたものの、23年は一転して活発化して いる。同レポートは、ウェブ会議やリモートワークなどの多様な働き方は定着したものの、 企業の「脱首都圏」を後押しする推進力は、コロナ禍だった20~22年に比べて弱まって いると見ている。

「ゼロゼロ融資」利用後の倒産、4カ月連続で50件超える/民間調査

 東京商工リサーチは8日、2023年8月「ゼロゼロ融資後」倒産に関する レポートを発表した。実質無利子・無担保融資の「ゼロゼロ融資」を利用した後 の倒産は、2023年8月は57件(前年同月比39.0%増)、4カ月連続で50件を超過。 倒産が初めて確認された2020年7月からの累計は1,025件。  ゼロゼロ融資は、コロナ禍で急減な業績悪化に見舞われた中小・零細企業の 資金繰り支援策として実施。レポートは、「ゼロゼロ融資は、倒産抑制に劇的な 効果をみせたが、その副作用として過剰債務に陥った企業は多く、返済がピークを 迎え、業績回復の目途が立たず息切れする企業が増えている」と指摘している。

非正規雇用労働者の働き方・意識調査結果をHP掲載/連合総研

 連合総研は、「非正規雇用労働者の働き方・意識と労働組合に関する調査」報告 書をホームページに掲載した。民間の非正規雇用労働者2,500人(組合員500人、 非組合員2,000人)を対象に、就業状況や職場環境の実態、公的年金や社会保険の加入 状況、非正規労働に関するルールの認知、コロナの影響等について2022年11月に実施 したアンケート調査結果をまとめたもの。労働組合・NPO・団体に対するインタ ビュー調査も実施し、非正規雇用労働者に関する取組内容を紹介している。

中小企業の健康経営・福利厚生制度など調査/民間調査

 アクサ生命保険は4日、全国の中小企業経営者を対象に実施した、健康経営や福利 厚生制度に関するアンケート調査結果を発表した。従業員の健康づくりを重要な経営 課題と位置づけ、生産性や企業価値の向上につなげる「健康経営」について、「内容 を知っている」経営者は約半数(46.8%)。従業員のこころの健康をサポートする ために取り組みたいことは、約6割が「ストレスチェックの実施」と回答。一方で、 実際にストレスチェックを「実施している」企業は約1割に留まっている。

給食事業者の3割が「赤字運営」、コスト上昇で厳しい採算状況/民間調査

 帝国データバンクは8日、「給食業界動向調査(2022年度)」結果を発表した。 国内で社員食堂や学生食堂の運営、給食サービスを提供する企業を調査した結果、 2022年度の利益動向が判明した374社のうち、34%(127社)が「赤字」運営だった ことが分かった。コロナ禍以降、3年連続で赤字となった企業は1割を占め、 レポートでは「値上げ交渉が難航する事業者が多くみられ、厳しい採算状況を強い られている」と指摘している。

「訪問介護」事業者の倒産が急増、ヘルパー不足や物価高が打撃/民間調査

 東京商工リサーチは15日、「訪問介護事業者の倒産動向調査(23年1-8月)」結果を発表 した。2023年1月~8月の「訪問介護事業者」の倒産は44件(前年同期30件)で、調査開始 の2000年以降、同期間では過去最多を更新。44件のうち、コロナ倒産は17件(前年同期4件)、 人手不足倒産は9件(同1件)で大幅に増加。レポートでは「デイサービスなどの通所・短期 入所介護事業や有料老人ホームなどを含む老人福祉・介護事業者では、倒産増が目立つのは 訪問介護事業だけだ。それだけヘルパー不足や物価高が訪問介護事業に打撃を与えており、 早急な解消も見通せず、今後も倒産が増える可能性が高まってきた」と分析している。

建設業の時間外労働、業種間でバラツキ/民間調査

 帝国データバンクは26日、「建設業の時間外労働に関する動向調査(23年8月)」 結果を発表した。同社が月次で集計している時間外労働の状況調査では、2023年8月 時点の建設業の時間外労働時間DI(50超が増加、50未満が減少を表す)は48.8で 2カ月連続で上昇。建設業全体のDIは50を下回っているが、「はつり・解体工事業」 (54.4)や「内装工事業」(52.4)などで大きく増加し、業種間でバラツキがあると指摘 している。

戸建住宅メーカー、売上増加もコスト上昇で6割が減益/民間調査

 東京商工リサーチは26日、全国の主要戸建メーカー・ハウスビルダーの動向調査結果 を発表した。2022年度に売上高100億円を超えた戸建メーカー・ハウスビルダーは117社。 これらの売上高合計(約7兆8,945億円)は前年度から5.3%増加したが、利益は3.9%減 少。減益企業は約6割に達した。レポートは、「売上増の背景は、高付加価値化による 価格上昇のほか、建築資材や物流費、人件費などの上昇に伴う販売価格の上昇が大きい。 一方で、価格転嫁が追いつかず利益後退が鮮明になった」などと指摘している。

国内製造拠点の閉鎖縮小、2021年をピークに鈍化/民間調査

 東京商工リサーチは22日、「上場メーカー『国内の工場・製造拠点』閉鎖・縮小 調査」結果を発表した。上場メーカー(約1,470社)のうち、2022年に国内の工場や 製造拠点の閉鎖・縮小を開示したのは28社。2019年の17社から、コロナ禍より20年 27社、21年40社と急増したが、22年は減少に転じた。経済活動の再開や円安進行、 ウクライナ侵攻による海外サプライチェーンリスクなどが追い風となり、国内回帰 の動きも出始めていると指摘している。

8月のバイト時給1,280円、インバウンド需要増などで上昇/民間調査

 エン・ジャパンは28日、2023年8月度の「全国アルバイト・パート募集時平均 時給調査」結果を発表した。全国平均時給は1,280円で、前年同月比51円のプラス。 三大都市圏でも全エリアで上昇し、東海・関西の上昇額は2023年の最高額を記録。  レポートは、「今年の夏は行動制限がなく、音楽フェスなど大規模の対面型イ ベントも復活。受付や警備など幅広い職種で急激に人材の取り合いが発生。また、 特に飲食業界の大手各社が、インバウンド需要の増加も踏まえた客数の増加により、 アルバイト採用を強化。時給改定をすることで『他社よりも時給面で優位に立ち、 採用力を向上したい』という狙いが8月は顕著だった」と指摘している。

「完全週休3日制」を導入、毎週水曜を休日/伊予鉄グループ

 伊予鉄グループは8月28日、従業員の働き方改革、ワークライフバランスの実現などを 目的に、毎週水曜を休日とし、全社的に「完全週休3日制」を導入すると発表した。 対象は全従業員で、週平均40時間のフレックスタイム勤務とし、毎週水曜を休日とするこ とで年間休日は170日超になる。9月に運用開始し、10月に完全移行を予定。

人事制度と報酬体系を改定、役割と発揮価値に応じた処遇へ/シミックヘルスケア

 医薬品開発支援のシミックヘルスケア・インスティテュートは8月28日、2023年10月より 人事制度改定と報酬水準改定(ベースアップ)を実施すると発表した。近年、希少疾患への 開発領域のシフトや医療機器の多様化に伴い、高度な知識やノウハウを持った人財の獲得・ 育成が求められているとして、役割と発揮価値に応じた人財登用と処遇の実現を目指す。  基幹事業の担い手である治験コーディネーターなど専門職種の市場価値と物価上昇等の 社会情勢を踏まえ、全体で平均7%程度の報酬アップを行うとしている。

再雇用制度「カムバック採用」を開始/南海電鉄

 南海電気鉄道は7日、キャリアアップや育児介護等の理由で同社を退職した人を 対象とした再雇用制度「カムバック採用」の開始を発表した。要件は、「勤続年数 1年以上」「定年年齢に達していない」「選択定年・懲戒解雇等による退職でない」 の全てを満たすこと。再入社時の待遇は、退職後の職歴やスキルなどを踏まえ、 個別に決定するとしている。

1カ月以上の育休取得に「奨励金」、基本給の1割を支給/野村證券

 野村證券は14日、全社員に対して、多様な人材が働くための環境整備の推進に 関する取組みを人事評価に組み込むと発表した。例えば、マネージャーに対しては、 多様性が受容される職場環境の整備、男性社員の育休取得の推奨や、女性活躍推進 に向けた女性社員の能力伸長に関する取組み等を、人事評価に組み込む。  また、性別を問わず、1カ月以上の育児休業取得者に対して「育休取得奨励金」 として基本給(年額)の1割を支給。男性の育休取得を浸透させ、異なる立場や 考え方に対する社員の理解が進むことを期待したいとしている。

早期退職特別支援プログラムを実施/参天製薬

 参天製薬は4日、早期退職特別支援プログラムの実施について発表した。対象者 は、50歳以上で勤続年数3年以上の社員・定年後再雇用社員で、募集人数は設定し ていない。通常の退職金のほか退職特別加算金を支給。希望者には外部専門会社に よる再就職支援サービスを提供する。退職日は23年12月31日。同社は7月に新たな 執行体制を発足。更なる成長に向け、各組織、機能で求められる職務、ケイパビリ ティの再定義や人材の適材適所の配置見直しも進めているとしている。

卵子凍結の補助を福利厚生制度として導入/パナソニックコネクト

 パナソニックコネクトは15日、女性従業員の自律的なライフプラン設計を支援するため、 卵子凍結への費用補助を国内社員向けの福利厚生制度として導入すると発表した。不妊治療 は精神的・肉体的・金銭的にも負担が大きく、女性のキャリアやライフプラン設計へのモチ ベーション低下に繋がる大きな社会課題だと指摘。同社の女性社員を対象に40万円を上限に 補助し、社員向けのセミナーを実施してヘルスリテラシーの向上を図るとしている。

配偶者等の「転勤への同行・休職制度」を新設/JR西日本

 JR西日本は19日、ダイバーシティ推進に向けた環境づくりの一環として、配偶者等 の転勤への同行・休職制度を新設すると発表した。婚姻関係にある配偶者のほか、同性 パートナーシップ、事実婚も対象とする。また、ワークライフバランスの充実に向けて、 フレックスタイム制も見直し、既に実施しているコアタイムの撤廃のほか、始終業時刻 の制限についても撤廃する。

初任給を引上げ、大卒26万円・パート時給も最大180円アップ/京都銀行

 京都銀行は19日、初任給の引き上げについて発表した。将来を担う人財に対する採用 競争力を強化するべく地方銀行においてトップ水準の初任給へ引き上げるとして、大卒 は26万円(現行22万5,000円)に、短大卒は24万円(同21万5,000円)に、高卒は22万円 (同20万5,000円)にそれぞれ改定。パートタイマーについても時給を40円から最大180 円引き上げ、積極的な採用と育成の充実を図る。詳細は今後従業員組合と協議の上、決 定していくとしている。

退職社員の「カムバック制度」を導入/東京メトロ

 東京メトロは21日、同社を退職した社員を広く再雇用の対象とする「カムバック 制度」を10月から導入すると発表した。同社ではこれまで、育児・介護等の事情で 退職せざるを得なかった社員を再雇用する制度を設けていたが、今回制度を拡充し、 育児・介護等による退職者だけでなく、3年以上同社に勤務し、転職等の自己都合 を理由に退職した人も制度の対象とする。

店舗の営業時間フレックスタイム制度など導入/JR宮崎シティ

 JR宮崎シティが運営するアミュプラザみやざきは20日、「営業時間フレックス タイム制度」および「特別休業制度」を10月2日から試験導入すると発表した。 全館のコアタイムを11時~19時に設定し、前後1時間をフレックスタイムとして 店舗独自で時間設定できる制度。飲食店舗については原則11時~20時をコアタイム、 20時~21時をフレックスタイムに設定する。また、全館休館日に加え、店舗独自で 福利厚生を目的とした休暇を年間最大2日取得できる。「ショッピングセンター業界 は人材不足が課題」とし、「店舗スタッフのサステイナブルな働き方を実現」すると している。

労働HOT NEWS トップへ


バローグループユニオン
UAゼンセン バローグループユニオン
〒507-0062 岐阜県多治見市大針町661-1
TEL:0572-20-0821 FAX:0572-29-4117

Copyright© Valor Group Union All Rights Reserved.