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| - 今月の特集 - |
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これから本番を迎える中小・地場 |
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2004春季生活闘争・統一賃闘は3月末までに大手を中心に妥結が進み,焦点は中小、地場産業の組合に移った。大手の特徴はベースアップゼロの組合が増加する一方,一時金の満額回答に見られるように実質的に賃金カーブを確保し,トータルで見ると若干ではあるが昨年を上回る回答となった。これは好決算と株価高の追い風を受けた結果とも言えるが、ここ数年間労働側にとってきわめて厳しい結果があっただけに手放しで喜ぶわけにはいかない。そしてこの結果を受けて中小がどのような展開を見せるか,大手と中小の格差が広がるか縮まるか、という正念場を迎える。連合も4月5日の拡大戦術委員会で中小・地場の妥結基準を「昨年実績300円以上の上積み、または4,300円基準」と設定した。
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協約改定・多様な要求で前進 |
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ところで労使交渉の内容を見てみると,近年にない特徴が現れている。賃金、一時金以外に60歳以上の雇用,次世代育成支援、組合員のキャリアアップ、サービス残業撲滅など労働時間管理適正化,パートタイマー労働条件改善などで前進が見られた。春季生活闘争が初期に掲げた総合労働条件の改善がここにきて開花し始めた観がある。
多様な要求で交渉を展開し,協約・協定を結んで成果を上げるのは労働組合の本旨である。労働条件の中で賃金は基本的なものであるが,給与・一時金だけが労働条件ではない。
例えば、定年の延長。60歳でいったん雇用止め,再雇用2〜3年、ただし賃金ベースはそれまでより下げるというパタンが多いが、企業にとっては経験・技術の継承という面からの切実な必要性があり、数年後に迫った団塊の世代のリタイアをにらむと何らかの手を打たなければならない。また働く側にとっても年金受給開始とのタイムラグを埋めなければならない切実さがある。こうした環境での定年の実質延長が進むことは評価しなければならない。
これまでのところ大手産別組合の内容を見てみると,電機連合の仕事・家事両立支援、自動車総連の総労働時間短縮,基幹労連の60歳以上の就労確保での成果が目立つ。その他の項目を見ると、ボランティア休暇,育児・介護休業期間の延長と対象労働者の拡大等バラエティに富んでいる。
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何を物語るか? |
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こうした傾向は組合員にとってもちろん歓迎すべきことであるが、いったいどのように評価したら良いか。
ひとつは言うまでもなく、デフレ傾向が依然として続いているという条件がある。消費者物価は上がらず,地価も一部を除いて下落傾向である。勤労者所得はことに中小・地場では暫減傾向にある。完全失業者数・率ともに、根本的に減少しているわけではない。こうなると(労使ともに言いにくいことであるが)労働条件改善を賃上げだけに特化して進めるわけには行かない。ワークシェアリングが進行した結果、正規雇用労働者と派遣、パートタイマーが並んで仕事する職場も急速に増えている。雇用形態の違いによる賃金格差も解消しなければならない。したがって、労働条件改善をこれまでとは別のステージで展開せざるを得ないわけである。
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労働組合の社会的責任の増大 |
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以上の理由から、春季生活闘争は中身を変えざるを得ない。2004年はその端緒についた年として記録されるであろう。言葉を変えるならば、労働組合の社会的責任がより強くなってきた、とも言える。労働組合は、正規雇用労働者オンリーの要求だけではなく,パート、派遣,アルバイトをも視野に入れた交渉を展開せざるを得ない時期を迎えた。また、定年延長も、育児・介護休の制度整備も、さらにはボランティア休業制度も組合員のキャリアアップも社会的要請が極めて強い課題である。
また、この間、企業の製造物責任、社会環境への責任について厳しく注視されるようになった。製品に瑕疵があったり偽りがあったりすると企業の存続そのものが危うくなる事態が散見される。製品のリコールが企業の社会的信用失墜に直結する時代である。こうした事柄についても労使協議の俎上に上るようになった。企業は端的に言うと利潤追求のシステムだが,利潤追求にはかなりの社会的責任を意識・自覚して実行しなければならない。
今次春季生活闘争は上記のような意味で,好むと好まざると、労働組合の方途(企業も同様に)を暗示しているように思える。これから中小・地場がどのような結果を出すかが注視されるが,いずれにせよ5月6月時点で、新しいステージでの労働組合論が展開されるのは必至である。
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2004.04.19
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